- 子どもの勉強嫌いに何かできることはある?
- どうしたら少しでも勉強をやる気になってくれるんだろう…?
- 子どもの勉強嫌いは今からでも克服できる?

うちの子、どうしたら勉強に対してやる気になってくれるんだろう…。
勉強嫌いって直せるの?今からじゃ、もう遅いかな…?

まだ諦めないで!お子さんの勉強嫌いは、6つのステップを踏めば直せます!
こんにちは!
心理士ですが勉強苦手なお子さんのための家庭教師をしている こころ先生 です♪
「子どもが勉強嫌いになってしまった…」
親や先生としては複雑な気持ちになりますよね。
これから長い学生生活を過ごしていく中で、勉強はどうしても切り離せないもの。お子さん(生徒さん)が勉強を嫌がる様子は、親や先生も見ていて心が痛くなりますよね。
でも!まだ諦めることはありません!!
勉強嫌いはきちんとしたステップを踏んでいけば克服できます!
実際に、私が勉強が苦手なお子さんに勉強を教えるときには、毎回必ずこのステップを踏んで授業を行っており、保護者の方から、「うちの子勉強大嫌いなのに、こころ先生の授業は毎回楽しんでいます!」と嬉しいお言葉をいただくこともあります。
特別なことをしているわけではありません。これからご紹介する6つのステップを意識しているだけです。
ちなみに、これからご紹介する6つのステップは、心理カウンセリングにも共通する点も多いので、これからカウンセラーを目指したい方にも参考になるかもしれません。
それでは、心理士×家庭教師である こころ先生 が発見した【子どもの勉強嫌いを克服するために必要な6つのステップ】をお伝えします♪
子どもの勉強嫌いを克服するために必要な6つのステップとは?
さっそく、結論から書きます!
- 【勉強嫌い】は【怠けている】ではなく【困っている】と考える
- 勉強したくない理由を考える
- 子どもの【強み】を知る
- 【強み】を生かして学ぶ・教材やアイテムを選ぶ
- 学習環境の調整
- 子どもとの関わり方を見直す
…これだけ書くと、「はいはい、よくその辺で言われているやつね~」
と思われてしまいそうですが、下に詳しく解説していきますね!
1.【勉強嫌い】は【怠けている】ではなく【困っている】と考える
勉強が嫌いな子のほとんどは、遊びは全力でやれるんですよね。しかも自らすすんで。
勉強は全くやる気ないのに遊びには出かける、ゲームはやりたがる、YouTubeは観たがる、お菓子やご飯はよく食べる…などなど。
そんな様子を見ていると、
「遊びは自ら進んでやれるのに」「またサボっている!」「遊んでばかりで怠けている」
と思ってしまいますよね。
では、少し視点を変えて、子ども側の視点から考えてみましょう。
勉強嫌いの子どもの心理
ここで一つ、皆さんに伝えておきたいことがあります。
意外かもしれませんが、大半の子どもたちは【勉強はした方がいい】【勉強することは必要だ】と考えています。
実は周りの大人が思っているよりも、子どもたちは勉強の必要性を理解していることが多いのです。
なので、「勉強することは大切だよ」なんて説明しなくても、子どもは周りの大人の様子や環境から、なんとなく感じ取っています。
「いやいや、うちの子(生徒)はそんなこと絶対に考えてないです!」という方もいるかもしれませんが、少なくとも、私がこれまでいろんな子どもたちと関わってきた経験からいうと、どんなに勉強を全く受け付けないお子さんでも、よくよく話したり様子をうかがっていると、内心では「本当は勉強やっておいたほうがいいんだろうけど…」と勉強しないことに後ろめたさを感じていることが多かったです。
さらに言えば、【できることなら”勉強できる自分”でいたい】【できることなら勉強を好きになりたい】というのが多くの子どもたちの本心でしょう。
【勉強できる自分でいたい】けど【勉強ができない】。
ここで理想と現実にズレが生じます。【勉強をしていない・できない自分】を直視するのは心理的につらいので、へらへらと笑ってごまかしたり、勉強より遊んでばかりになって、それが親御さんや先生をさらに不安にさせたり、いら立たせていることがあります。これは心を守るための防衛が働いている状態です(この心の動きを、心理学用語では「防衛機制」と言います)。
最初の一歩は「子ども自身も困っている」ことに気づくこと
「勉強嫌いな子どもの心理についてはなんとなくわかったけど、私たちにできることってあるの?」
では、さっそく勉強嫌いを克服するために必要な最初のステップについてお伝えしたいと思います。
それは、「勉強しない=怠けている、ではない」と理解すること。
そして、【子どもが勉強を嫌がる=勉強で困っていることがある】という考え方をしてみることです。
子どもの行動を今すぐ変えようとするのではなく、我々教える側の意識をまず変えることが必要です!
「え!こんなこと~?」・・・・・なんて思いましたか?
でも、意外とこれができていない人が多いんです!そして、これができていないまま「何か良い解決策はないかな…?」と勉強嫌いを直す方法を検索し続けている人が多いです。
親や先生は子どもが勉強してくれないことに困っているかもしれないけど、
本人が一番困っているのです。この視点を忘れてしまいがち。
「努力不足だ!」「怠けている」という認識のままだと、勉強嫌いを解決することは難しいでしょう。「努力」は他人に強制されて行うものではないからです。
子どもに関わる大人側の捉え方が変わると、子どもたちにも伝わります(心理学用語でいう「ピグマリオン効果」が参考になります)。教える側も、「子どもが怠けている」と捉えているとイライラしてしまいがちですが、「子どもも困っている」と捉えることで、子どもの気持ちを理解しやすくなり、冷静に対応できることも増えます。
まずは、このポイントを押さえておいてくださいね。
2.勉強を嫌がる理由を分析する。
では、勉強嫌いなお子さんは具体的にどんなところで困っているのでしょうか。ここからは、勉強嫌いの理由を分析していきます。
理由の分析には、心理学の分野でもよく使われている応用行動分析という考え方が参考になります。
応用行動分析では、行動の背景には必ず理由があると考えます。
例えば、勉強を嫌がる理由の例を一部挙げると…
- やる気が出ない → やる気の出し方、勉強の仕方、何から始めたらいいのかわからなくて困っているのかもしれない。
- 難しいからやりたくない → 問題の解き方がわからなくて困っているのかもしれない。
- 面倒くさい → 何から手を付けたらいいのか、どのくらいで終わるのか頭の中でうまく整理できなくて困っているのかもしれない。
- 集中できない→勉強がわからなくて集中が続かないことに困っている、周りの音や物が気になって集中できなくて困っている、または勉強とは関係ないことが頭に浮かんできて集中できなくて困っているのかもしれない。
- 勉強を嫌がる→内容が難しくわからなくて困っているのかもしれない。
- 勉強中に泣く、怒る→体が疲れてイライラしてしまう、気持ちのコントロールがうまくできない、問題が難しくてうまく解けなくて困っているのかもしれない。
このように、考えられる理由について仮説を立てていきます。
実際は子どもの状況や様子によって考えられる理由は様々です。子どもの立場から考えてみると、大人が気づいていなかったような【勉強を嫌がる理由】に気づくこともあります。子どもが困っている部分に目を向け、何に困っているのかをまず知ることが大切です。
これまでの家庭教師経験の中でも、ふざけてなかなか課題に取り組めなかったり、毎回話が脱線していったりするお子さんがいましたが、子どもの様子をよく観察していると、実はこれまでの失敗経験の積み重ねで間違えることに強い抵抗感を持っていて、自信のなさから話を逸らしたりごまかしたりしている子が多かったです。
以前の記事で、勉強したくない理由について書いているので、参考までに載せておきます。そこでは、勉強を嫌がる理由を大きく4つに分類しているので参考になるかもしれません。

3.子どもの【強み】を知る
勉強嫌いな理由が見えてきたら、次にお子さんの【強み】を探しましょう。
【強み】とは、いわゆる【長所・得意】のこと。それに加えて【好きなこと、興味関心】もここでは【強み】に含むこととします。
「勉強の苦手なところを克服したいのになぜ【強み】が必要なの?」
関係ない話のように感じるかもしれませんが、強みを知ることはとても重要なんです!
なぜなら、子どもの【強み】は、勉強のハードルが低くしたり、苦手な勉強に取り組むためのモチベーションを上げるためのきっかけになるからです。
お子さんの良いところ、いいなあと思うところ、得意なこと、好きなこと、興味があること、これだけはずーっとやっていられる!ということ…ポジティブな側面をできるだけたくさん挙げてください。
例えば、「ゲームだと時間を忘れていつまでもやれる」というなら、ゲームに関する集中力は高く、興味関心も高いでしょう。ゲームの内容がパズルゲームなら形を認識する能力が高いのかもしれませんし、格闘ゲームなら動きに素早く反応することが得意なのかもしれません。
音楽が好きなら、どんな音楽が好きなのか、どのアーティストに魅力を感じているのか。音楽やラジオを聞くのが好きなら、耳から入る情報の方が入りやすいのかもしれないという仮説が立てられます。
運動が好きなら、どんなスポーツが好きなのか。もしかしたら体を使って考える方が得意かもしれません。
小説を書いたり読んだり子が好きなら、文字を通して自由に想像したり考えたりすることが好きなのかもしれません。
アニメが好きなら、どんなストーリーに惹かれているのか、どんなキャラクターに魅力を感じているのか。
子どもの好きなことの中にはたくさんの情報・勉強に応用できるヒントが隠されています。これを勉強に利用しない手はありません!
4.【強み】を生かして学ぶ・教材やアイテムを選ぶ
さて、ここからはより実践的な内容に入っていきます。
お子さんの強みをどのように勉強に結び付けていくとよいかを考えます。ここは発想力も試されます。
有名な例でいうと、「子どもの好きな恐竜(ポケモンなど)をきっかけにカタカナを覚える」みたいなやつです。好きなものや得意なことを生かして学ぶ方法を考えます。
- 歌にして覚える(歌を覚えるのが得意な子の場合)。
- 年代を語呂合わせで覚える(意味を持たせた方が覚えやすい子の場合)。
- イラストとセットで覚える(目で見た情報を覚えやすい子の場合)。
- リズムに合わせて覚える(リズムに乗ることが好きな子の場合)
- 歩きながら暗記する(運動するのが好きな子の場合)
そして、お子さんの強みを生かした教材やアイテムを選ぶことも必要です。
学びの方法には、さまざまな選択肢があります。学習プリントの選択、カードで覚えたりポスターで覚えたり、シールを貼って学んだり。イラストを落書きしながら覚えてもいいし、マンガやゲームの中で学んでもいい。書くことが苦手なお子さんはタブレットやキーボードを利用して学んでもいいのです。
大量にひたすら書いて覚えるだけが勉強ではないのです。勉強の最終的なゴールは、【学んだ内容を理解する】ことです。特定の学びの方法に固着せず、お子さんに合わせた選択肢があることをぜひ頭に入れておきましょう。
5.学習環境の調整
意外と関係ないように見えて実は無意識に影響を及ぼしている場合があるのが【学習環境】。
子どもの勉強に気持ちを向かわせる阻害になっていないかを見直していきましょう。
- 机や椅子の高さ
- 持ちやすい鉛筆(太さ、長さ、角度)、鉛筆の濃さ、
- 消しやすい消しゴム
- ノートの種類(行の広さ、マス目の大きさ)
- 机周り(ポスター、おもちゃなどが目につくところにないか)
- 物音(静かすぎるよりも多少の雑音がある方がいい子もいる)
- 電気の明るさ
- 時間帯(疲れていたり眠かったりしやすい時間はできるだけ避ける)
「この環境を完璧にそろえなきゃ!」と必死にならなくても大丈夫です。
例えば、下にまだ幼い兄弟がいる場合は、親御さんは下の子を見ながら上の子の勉強を見ないといけなくなるので、勉強中に下の子の泣き声や遊ぶ声が聞こえたり、下の子が遊んでいるおもちゃが気になったりすることがあります。そういうときは、下の子が遊んでいるのが目に入りにくいように壁側を向かせて勉強させるなど、できる範囲で工夫するだけでもよいです。
習い事をしている場合は、必然的に勉強する時間は限られてきます。そういう場合は、限られた時間の中でも、どの時間帯が一番元気があるように見えるかを考えてみます。帰ってきて早めの時間の方がまだ元気が残っているなら、帰ってきてすぐ勉強する時間を少しでも設けてみたり、お風呂の後は少し目が覚めているから、お風呂の後に勉強する時間をつくってみたり、いろいろ試してみると、お子さんに合った環境が見えてくるでしょう。
ご家庭によって生活体系や生活リズムはそれぞれですので、お子さんの様子を見ながら、各ご家庭の生活に合わせた学習環境を探してみて下さいね♪
6.子どもとの関わり方を見直す
最後に、勉強をするときの子どもとの関わり方を見直してみましょう。
これまで、子どもに勉強をうながすとき、勉強を教えるとき、どのような声かけや関わりをしてきましたか?
「怒ってばかりだった…」と落ち込まなくても大丈夫!今日から始めてもらえばOKです!!
私の経験上、早ければ1~2日で効果が出てきます。大人側の関わり方の変化が、子ども側に変化をもたらします。
ポイントをお伝えしますね♪
1.信頼関係を築く(安心して勉強できる関係性)
否定されない、受け入れられている、この人の前では間違えても大丈夫と子どもが感じられる関係。そのためには子どもの話に興味を持ち、耳を傾けてよく聴くこと。
2.認める声掛け
ともに目標に向かって頑張る仲間・お助け役のように感じられる関係。できたことを一緒に喜び、できなかったことは一緒に悔しがる。できるようになったことに気づいて子どもに伝える。
3.励ましの声掛け、背中をそっと押す声掛け
あなたならできる!を暗に伝える(プレッシャーになるのは×)。具体的な声掛けの例→「おしい!」「もうちょっと!」「○○ちゃん(名前)ならできる!」 「この問題が解けるようになったから、次のレベルアップした問題も解けそうじゃない?」
こうやって書いていると、【大人側の心の余裕】が鍵を握っているとも言えそうですね(笑)。子どもにイライラしている状態だと、このような対応を取りなさいと言われても難しいですよね。
特に親子関係の中では、どうしてもイライラしてしまいがち。私も、仕事では穏やかに対応できても、自分の子どもとの関わりでは常に心穏やかに対応できているかと言うと、そういうわけではありません(笑)。関係性が近すぎるのか、感情の調整が難しいときってありますよね。
どうしてもイライラしてしまう…という親御さんは、以下の考え方を参考に、少しでも心の余裕を作るところから始めましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
最初から全部うまくできなくても、実行できそうなところから少しずつ取り組んでみることで、変化が見られてくるはずです。
そして、どうしても難しいときには、ひとりで抱え込まず、学校の先生やスクールカウンセラー、外部の相談機関などにいる専門家の力も借りつつ、お子さんの勉強嫌いに対応していきましょう。
私も、いち心理士×家庭教師として、お子さんの勉強嫌いに悩む親御さん・先生方を応援しています!
では、この記事のまとめです。
子どもの勉強嫌いを克服するための6つのステップ
■ステップ1:【勉強嫌い】は【怠けている】ではなく【困っている】と考える
勉強嫌いな子でも勉強の必要性は感じているし、できることなら勉強ができるようになりたいと思っている。「本人が一番困っている」ことを理解することが最初の一歩。
■ステップ2:勉強したくない理由を考える
「勉強嫌いには必ず理由がある」と考える。子どもの様子をよく観察し、子どもが勉強のどんなところで困っているのかを把握する。
■ステップ3:子どもの【強み】を知る
子どもの長所・得意なこと、好きなこと、興味があることを把握しよう。子どもの【強み】には、勉強に向かわせるきっかけとなるヒントが隠されている。【強み】を生かして勉強に繋げよう。
■ステップ4:【強み】を生かして学ぶ・教材やアイテムを選ぶ
学ぶ方法は書くだけではない。様々な選択肢がある。子どもの【強み】をいかした教材やアイテムを使って勉強しよう。
■ステップ5:学習環境の調整
学びの環境も少なからず影響を与えている可能性があるので、机周りや学習に使う道具を見直してみよう。子どもに合った学習環境を見つけよう。
■ステップ6:子どもとの関わり方を見直す
子どもが安心できるような関係性・声かけであるかを振り返ってみる。いかに大人側がイライラせずに心の余裕を持てるかが鍵となる。
こころ先生でした。では、また!